俺はその時、どう行動するか。
その時





ギュッ…







「……え?」



不意に背中に柔らかな感触を感じて、俺は固まった。




「あ…綾音?」


「…………」


「ちょっ…どうした?」



慌てて俺が綾音から離れようとすると、それに抵抗するように


綾音は俺の体に巻き付けていた腕にギュッと力を込めた。


温かく柔らかい綾音の胸が背中に押し付けられ


いけないとわかっていても綾音が触れている場所に意識が集中してしまう…





やばい…

このままだともう本当に引き返せなくなってしまう…





「あ…綾音…とにかく一旦離れて…酔いすぎだよ…」




ただでさえ鈍くなった理性。


こんな雰囲気のままじゃ、俺だっていつ流されてしまってもおかしくない。


< 132 / 224 >

この作品をシェア

pagetop