俺はその時、どう行動するか。
それからしばらくの間…



俺はあの空港での偶然の出会いから温泉、ラウンジでの出来事など俺に起こった災難まで


綾音と過ごした時間を出来るだけ事細かく話した。






健二はその間腕を組み、足を大きく広げた姿勢でベンチに座ったまま、ずっと静かに相槌だけを打ってくれていた。







「――――…ってな訳で今に至る訳なんだけど…」


「…………」




聞き終えた健二は苦い顔で不精髭のはえた顎を触った。





「お前…それはなかなか濃い一日だったな…おもしろ。ってかお前なんか悪い事してたバチでもあたったんじゃねぇの?」


「………」


「まぁ、いいや。それにしても綾音ちゃん…だっけか」


「ああ」


「彼女完璧だな」


「…やっぱ…そう思うよな」




今どきこの歳になって自分と波長が合ってる上に可愛くてスタイルも抜群、なおかつ男性経験もない子なんてまずいない。


何より綾音は超がつくほど優しくて良い子なんだよな…。



< 144 / 224 >

この作品をシェア

pagetop