俺はその時、どう行動するか。
それを聞いて、俺も分かってはいたが自分がしてしまった取り返しのつかない過ちの大きさを再確認した。





俺が今日一日で澪にしてしまった事は、この十数年で培ってきた澪との思い出や信用、俺に向けてくれた笑顔を全部捨てる事と同じ事をした。





重すぎる。




もし仮に綾音を選んだとしても、もはや俺一人が幸せになる資格なんてない。





胃がキリキリする…。







静かな本館の廊下では、健二が吐く煙草の白い息と俺の溜め息ばかりがいつまでも聞こえていた。



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