俺はその時、どう行動するか。
――…しかし





『分かっていらっしゃるとは思いますけれど……
浮気なんていたしましたら、この私が貴方を永久に闇に葬って差し上げますわ』






――…やばい。


いつか言われた澪のセリフが脳に浮かび、そこで俺は気付いた。




…何をやっているんだ、相良悠人!


お前は明日結婚する身だぞ?!




そして俺は頭の中の澪に必死に言い訳を始める。



違う…違うんだぞ、澪…!

これは…、いわゆる極限状態における恋愛の錯覚と同じような現象だ…。


今にもこの飛行機が墜落するんじゃないかという不安のドキドキが、

綾音に対してのドキドキに思えてしまっただけだ…!




『…本当かしら?貴方って優柔不断ですし、流されやすいから信用できませんわ』



澪……頼む…俺を信ろ…!



『…そこまで言うのでしたら証拠に今すぐその手を振り払ってくださるかしら?』



そ…それは出来ない…

分かるだろ? 澪…





『最!低!ですわ!』






――ガクッ。


ダメだ…イメージですら澪に頭が上がらない。



それからしばらく脳内で俺と澪のバトルは続いた。




―――――――――…
――――――…
――…
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