俺はその時、どう行動するか。
俺の言葉に、綾音は唇を噛んだ。





「綾音、本当にありがとう…。それと…本当にごめん。俺、綾音のことは一生忘れないと思う」


「…………」





俺の言葉に綾音は切なそうな笑顔を見せた。





「私こそ…忘れません…」






俺たちのやり取りをフロント越しに麻生さんが興味深そうに見つめていたが、

そんなことはもうどうでも良かった。







「私、あなたの彼女になりたかった…」


「っ…!」


「どうしてもっと早く出逢えなかったのかな…」






涙を堪えながら笑顔を見せる綾音。


俺の胸がまた苦しくなる。


俺は思わず、綾音の肩に手を伸ばしかけようとした。


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