俺はその時、どう行動するか。
澪はタテ巻きの胸下まである長い髪に白いダウンコート、下はピンクのワンピースにロングブーツという姿で


カツカツと高いヒールを鳴らしながら足早に近付いてくる。





「もう!どうして連絡して来ないんですの?」


「…え?」


「貴方がいつまでも連絡して来ないから…このワタクシがわざわざ迎えにきて差し上げましたわ」



澪は俺の腕を掴むと、拗ねたように俺を睨む。



「ご…ごめん、何度か連絡しようと思ったんだけど…」


「本当かしら?…もう良いですわ。それより早くお会計済ませて行きましょう。ほら、次の方もお待ちになってらっしゃるんじゃないんですの?」



澪が俺の後ろを覗き込むように体を傾け、それにつられるように俺も後ろを振り向く。


綾音はいつの間にか俺から離れた場所に下がって、うつ向いていた。



ズキッ…


綾音のそんな姿に俺の胸が鋭く痛む。



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