俺はその時、どう行動するか。
しばらくして、ベルト着用ランプが消えた。


激しく揺れ続けた飛行機だったが、今は穏やかさを取り戻している。





綾音はようやく俺から体を離すと照れ笑いをした。



「ありがとう…ございました。
私ったら、本当にごめんなさい。澪さんに知られたら怒られちゃいますよね…」


「…………」



俺は綾音になんとか笑顔を返す。




もうすでに…空想の澪には半殺しにされました。




綾音はそれからイスの背もたれを少し倒すと、寝そべるように体を預けた。


乱気流を抜けたことで、気が抜けたのだろう。



「なんだか疲れちゃったので、少しだけ眠りますね…」


そう言うと、可愛らしくふぁ…とあくびをした。


「はは…、北海道に着いたら起こすね」


「…はい。ありがとうございます」



俺の微笑みに綾音もふわりと微笑み返すと

数分も経たないうちにスヤスヤと眠り出した。



< 16 / 224 >

この作品をシェア

pagetop