俺はその時、どう行動するか。
「…貴方も泣いてらっしゃるの?」




そんな俺に驚いたように澪が声をだす。



「……………」



澪は俺にゆっくり手を伸ばすと、そのまま俺の顔に触れ顔を上げさせた。


泣いている俺と澪の視線が絡む。




「酷い顔…ワタクシ人を殴ったのは初めてですわ…」


「澪…」




澪は涙を流しながらも、少し気持ちが落ちついてきたのか力なく微笑む。



「…貴方は優しすぎるから…どうせそこをつけこまれたんですわね」


「………」


「こんなになるまで殴られるなんて…バカですわ」


「………」




澪はどこか疲れたように視線を俺から外す。





「本当に…その方のことを好きになってしまったのね」


「…自分でもいけない感情だとは言い聞かせていたんだ…でも…」





唇を噛む俺に

まるでもうそれ以上先を言わないで、と言うように澪はそっと指で俺の口に触れる。




澪…?


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