俺はその時、どう行動するか。
それきりもう何も言わず動きもしない澪。





「…………」


俺はゆっくり立ち上がると、静かに扉へ向かった。


ギィ…と音を立て重い扉が開かれる。





「澪…」


俺はドタノブを握り締めながら最後に澪を見る。


純白のウェディングドレス姿で俺に背を向けている美しい澪。


ずっと俺の最愛だったひと―…







「今まで……ありがとう」

「………」


「俺…13年間お前といれて幸せだったよ」






澪は背中を向けたまま、最後まで真っ直ぐ立っていた。






俺は静かに扉を閉めるとそのままその場を跡にした。




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