俺はその時、どう行動するか。
逃れられない…?!
――――11:30






飛行機は無事に北海道へ着陸した。






綾音のスーツケースを天井から下ろしてやり、俺と綾音は共に機内から空港へと通路を歩く。



しかし…



「じゃあごめん、ちょっと俺、トイレに寄ってから行こうかな」


空港の手荷物受け取り場へ向かう途中、俺は綾音にそう言った。


これ以上関わらない為にも、綾音とはもう離れなきゃいけない…。



「綾音は悪いから先に行きな?おかげで楽しい空旅になったよ、ありがとう」


「そうですか?なんだか寂しいですね…」


「はは、同じホテルだしもしまた見かけたら声かけるよ」



俺の笑顔に綾音は寂しそうに頷いた。


「…分かりました。本当にありがとうございました!私もすっごく楽しかったです」


「うん、ホテルまで気をつけてね」




そして綾音と笑顔で別れると、俺は男子トイレの方向に歩きだした。



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