俺はその時、どう行動するか。
驚く俺に健二は首をかしげながらネクタイをゆるめる。





「あー…なんつうの?里奈は澪を傷付けたお前が許せないんだと。で、お前の親友である俺も許せないんだと」



「はぁ?今回のこと、お前は何も悪くねぇじゃん!」



「まぁ…里奈と澪ちゃんは昔っからの親友だからな。理屈じゃないんだろ?」




健二はハハッと笑う。




「…そ…んな…」



「んま、気にすんなよ。昨夜、お前のカミングアウトを聞いた時点から、もしお前が澪ちゃんを本当に振るなら、俺も里奈にフラれるかなって覚悟はしてたからよ」



「は?」



「俺が里奈でも同じ行動してたからさ。だから仕方ないんだよ」





健二はそこで諦めたように遠くを見た。



そんな……

俺のせいで健二と里奈までまさかそんな事になってたなんて。



二人に対しての申し訳なさから俺の胸はギリギリと締め付けられる。



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