俺はその時、どう行動するか。
「健二…すまん…本当に…なんと言えばいいのか」


「ったく本当だしな。今度なんか給料1ヶ月分くらいの良いもん食わせろや」




健二は俺の肩を一発軽く殴ると腕時計をチラリと見た。




「さてと、そろそろ本当に行かないと他の奴らに見付かるぜ?」


「あぁ…そうだな」


「バス停まで歩くか。お前コート着てねぇけどいける?」


「大丈夫だ。つーか…我慢する」


「ははっそうだな。お前にはそれくらいの罰があって当然だわ」




まだ落ち込む俺に、健二は出発を促すように明るく背中を押した。



ザクザクと雪道を歩いていく健二の背中を俺も追って歩き出す。






健二……本当にごめんな。





俺は心の中で健二に謝りながら

コイツが親友で本当に良かったと秘かに涙が出そうになった。



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