俺はその時、どう行動するか。
それから澪とは連絡は取らず、2年半後にふたたび再会した。





澪は獣医との結婚が決まり、やたらとデカいダイヤの指輪を俺に自慢してみせた。


居酒屋で、俺が渡した婚約指輪の何十倍はするだろう指輪をした澪は、幸せそうに語る。


獣医と知り合ったきっかけは、以前俺が澪に買ってやった犬だったそうだ。




「貴方のことは末代まで恨むつもりでしたけれど、これでもう許して差し上げますわ」



「はは…そっか、ありがとう」



「貴方の方はどうなんですの?あの女とはうまく続いてますの?」



「あぁ、でも続いてはいるけどまだ付き合ってはいないよ」



「え?どうして?」



「だってお前が幸せにならなきゃ俺は動けないさ」





俺の言葉に澪は目を丸くさせていた。


そして本当にバカな男だと呆れられた。





だけど…………俺は見た。



澪が俺に隠れて涙ぐんでいるのを。



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