俺はその時、どう行動するか。
「ってか俺お前と話すのも初めてだけど」



「…………」



「普通こんな告白で上手くいくか?」




俺の言葉にうるうると目に涙が溜まりだした西条寺澪。


俺がクルリと背を向け歩き出すと「相良くんひど―い!」とか「澪様を振るなんて信じられない!」とか取り巻きの女子たちが非難し始めた。


俺はしばらくうるさい声を無視してスタスタ歩いた。


しかし足をピタッと止めると、思い出したように振り返り西条寺澪を見る。


目が合うと、涙をポロポロ流していた西条寺澪はびっくりしたように固まった。


真っ赤な鼻からは鼻水まで出ていて、何故か俺はまた不覚にも可愛いと思ってしまったんだ。





「てか明日、お前のケータイ番号教えろよ…」


「!」




俺が小さく笑うと西条寺澪は真っ赤になり、取り巻きの非難は歓喜の悲鳴に変わった。


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