俺はその時、どう行動するか。
それからしばらくして、
ふいにキィ…パタン、と扉の音がした。





「悠人さん、お先でした」




え?

あ、綾音…もう出てきたのか?



さっき綾音の裸を見てしまったばかり俺は、その後何度頭を殴ってもいまだ妄想モードから抜け出せないでいた。





まさか…タオル一枚とかだったり…しないよな…



ベッドの上で死んだようにうつ伏せで倒れていた俺は


綾音の声に恐る恐る首だけをそちらへ向けた。



「体の芯からポカポカになりました!気持ち良かったですよ~…ってあれ?どうしたんですか?」



きっと無意識に期待が外れた悲しみが俺の顔に出ていたんだろう。



俺の軽率で申し訳ない想像とは真逆に

綾音はさっきとは別の白のカッターシャツにタイトスカートを着こなし

お風呂上がりとは思えないほどピシッと化粧まで決まっていた。




「い、いや…何でもないです」


俺は綾音から視線を外すと、何も気にしない素振りを演じながらベッドから起き上がった。



「な…なんでまたスーツなの?部屋着とかで出てくるかと思ったよ」



部屋着とか、バスタオルとか…。


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