俺はその時、どう行動するか。
別に俺はそこまで貧乏とかケチって訳じゃない。


だけどこれじゃあ何のためにわざわざ一番安いホテルに泊まったのか分かりやしない。



俺は新婚旅行でも澪に色々と買い物もさせてやりたい。


美味いもんだって食べさせてやりたいし、何より澪との思い出をたくさん作りたい。


その為に今まで頑張ってきた努力の結晶ともいえる軍資金を、ここの従業員のせいでこれ以上失っては堪らない。




我慢しよう…。






~♪~♪


その時、ポケットの中で携帯が鳴った。




画面を見ると、澪からの電話だった。


「澪…」


俺はベッドに座りながら澪からの着信画面を見つめる。


今の俺には澪の優しい声だけがこんな状況下で自分自身を保っていける力になる。



はずだった…





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