俺はその時、どう行動するか。
―――ピッ




「もしも」


「あなたって最低!本当に汚らわしい男ですのね!」



聞こえてきたのは澪の金切り声だった。


びっくりした俺は思わず携帯を耳から離して顔をしかめる。



「な…なんだよいきなり」


「とぼけるつもりですの?!里奈から全部聞きましてよ!」


「はぁ?」


「あなた…今部屋にこもりきって、いかがわしいビデオを見てるそうですわね?!」


「!」




そうだった…。


さっき健二の奴がふざけたことを言っていたのを、そのまんまにしてたんだった。


色々と疲れている所に、またいらぬ面倒な種を撒かれ俺は消沈しつつ手の指で眉間を押さえた。



はぁ…だけど落ち込んでる場合じゃない。


まずは澪の誤解をとかなければ。


いや…それだけじゃなくこの際、今の状況も澪に話してしまおうか。


俺も澪にだけはこれ以上嘘をつきたくないし


やっぱり俺のことを信じて貰いたいから。


よし…!

そうと決まれば覚悟を決めるぞ。



俺は気を取り直して澪と向き合うことに決めた。


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