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「おはようございます! 紫音代表」

校舎に向かうまでに何人もの生徒に声をかけられるのにも、もう慣れたわ。
有名人だもの、私可愛いもの、しょうがないわ。



「おはよう」

少し微笑んで可憐に挨拶を返すのが私の役目。


「素敵」とか「綺麗」とか言われるのも慣れてるけど、どうしてか雨の日はそれが虚しく聞こえる。




私が雨を嫌いな事なんて、この学園の皆は誰も知らないから……

おばあ様が亡くなったのが、こんな雨の日だった。
私をとても大切に育ててくれたおばあ様。

優しいけど、厳しい人だった。
私が学校に行きたくないって言えば柏原みたいな事を言われた。
両親は好きなだけ休ませてくれるけどね。

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