SWeeT†YeN
艶やかな黒髪。綺麗な瞳からは刺すような鋭い視線。
上から見下ろされて、湿った唇を指先で拭う柏原……
しまったわ!
昨日の夜のこと思い出しちゃったわ。
私は胸を押さえる。
ヤバイわよーまた心臓がドキドキしちゃう。
なんなのよ、あの執事。
あんな色っぽい顔するからよ。
「茉莉果さん、どうなされたの?」
「なんでもないわ……」
まさか、柏原にキスされたなんて
絶対言えないわよ。
使用人にそんなこと許すなんて、私としたことが絶対ありえない。