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大体、陽子さんがいれた紅茶はいまいちなのよ……

料理もそうだけど、柏原のは十倍が美味しいんだから!


「陽子さん、柏原呼んでくださる?」

「それはできませんよ。彼も久々の余暇です。屋敷の事は私に任せてくださるよう伝えてあります」



サイボーグなのだから余暇なんて必要ない気もするけど、製造元でメンテナンスでも受けているのかしら。

それともまさか、恋人とおでかけしていたり?
あの柏原が、あの艶やかな唇で?


…………。





「茉莉果お嬢様は、先代の麻亜理様によく似ていらっしゃいますね」


柏原なら絶対にあり得ないのだけれど、陽子さんは私の了承なしに勝手におしゃべりをする。

私は、ティータイムは静かにお茶を楽しむのが好きなのよ。



「堂々とした姿勢でお茶を飲む姿、その強気な態度」


むむっ?


あまり無駄口叩いてると減給するわよ、この女。







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