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「茉莉果様は、私を恨んでいますか?」


陽子さんは柔らかく微笑むと、ブルーベリーソースのかかったレアチーズをお皿にのせた。


「柏原さんが茉莉果様の為に、作り置きしてくれたものです」


この滑らかそうな真っ白なレアチーズは柏原が作ったもので間違いないわ。

陽子さんには無理ね。


私はレアチーズケーキが大好物だったわけじゃないけれど、柏原が作ったこのケーキがあまりに美味しくていつの間にか大好物になっていたんだ。



「先程の質問ですが、茉莉果様は私があなたからご両親を遠ざけていると……そう思われているでしょう?」


「本当の事でしょう。あなたが海外のオファーを受けてくるから、お父様とお母様は一年のほとんどを海外で過ごすのよ」




「確かに海外のオファーを受けて、その渡航先を決めるのは私の一存も多少なりとも関わっております。申し訳ございません」

彼女に謝られるなんて、少し屈辱的。
しかも、私の意見など全く関係ないけど陽子さんの意思は通ると言われたも同然だ。


全く気に入らない女ね。

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