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何なのよ……
このピカパカ……
ピカパカしてるだけで一万円札は吸い込まれていかない。
「お嬢様、代金は此方からです。けれども一万円札はお使いになれません。千円札か小銭を……」
「持ってないわよ」
「……でございますよね」
信じられないわ!
この私が飲み物一つ、自分で買えないっていいたいの!?
私は、近くに設置されていたウッドベンチに腰をかけるとため息をつく。
違うは、本当は余裕よ。
でも、そう! 今の私は喉が渇いてないの!
「柏原、休憩はおしまいよ。帰りましょう」
「そうでございますね。はやく屋敷に戻り、私が温かいお茶をいれましょう。さぁ、この公園を抜ければすぐに屋敷に到着いたします。茉莉果様」
柏原は地面に膝をつき、ベンチに座る私に目線を合わせて穏やかな口調で話す。
シルクのスボンが汚れちゃうわよ柏原。
「私喉なんて渇いていないわ。それより、柏原」
「はい、お嬢様」
柏原は優しい表情のまま首を傾げた。