SWeeT†YeN
お嬢様の恐怖のお茶会
「────おはようございます。茉莉果お嬢様」
今日はまた一段と冷え込みが厳しい。
柏原は寒さを諸ともせずに背筋がピンと伸び、それどころか優美な笑みを浮かべている。
「まだ起きたくない……」ふかふかのブランケットを体に巻き付けると、柏原に背を向ける。
そもそも今日は休みでしょ、時間を気にする必要なんてないもの……
眠らせて……
「お嬢様、時刻は十一時を過ぎております」
「……そう」
それならば、あと一時間寝ればちょうど昼食じゃないの。
「浩輔様がお見えになっておりますが?」
「……そう」
浩輔……ニコリと微笑む顔は母性本能をくすぐり、女性なら誰でも味方につけてしまいそうな人だったよね。
「『十一時に茉莉果様との約束がある』と、おっしゃっておりますが? わかりました、お嬢様の睡眠の妨げとなるやもしれません力づくで追い返してまいります」
十一時……
浩輔……
約束……!?