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柏原は、ティーポットを片手に私を見下ろすように冷たい視線を投げる。
執事のくせに、偉そうに見下ろさないでほしいわ。それに試合があると教えてくれたのは柏原よ。
「なによ? まさか連れていってくれないの?」
「いえ、スポーツ観戦は茉莉果様にとっても良いものだと思いますので、お連れいたしましょう。ただ……」
「だったら絶対S席とるのよ、柏原。ボックス席じゃ遠くて嫌だわ。品がないかもしれないけど近くで見たいのよ」
伝わるかしら? この熱意。こんなに衝動的になるのは久々よ。
これがTHE青春ってやつね!
私がこれだけ求めているのだから、空気読みなさい。
「ですから……普通、高校生のバスケットの練習試合にはS席もボックス席も存在しないのです」
「はあ? なにそれ? よく意味がわからないわよ」
スポーツ観戦の話をしているのよね? 席がなくてどう観戦するのよ。
「体育館というとても狭い場所で、皆様立たれたまま、観戦される試合のようです」
立ったままっ!?
「柏原、私にその試合が終わるまで立っていろ。と言っているの?」