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「それで……ブラジルじゃないなら柏原は今どこにいるの?」


陽子さんは、肝心な時に押し黙る。

やっぱり、この女は好きになれない……



「どこにいるか教えなさい。じゃないと、あなたはクビよ」


「……お嬢様。ですが、今は柏原さんもお考えあっての行動なのです。きっと彼は、これ以上自分があなたの側にいると良くない事が起こると判断したのです」


陽子さんは、必死に私を説き伏せるているようだ。


「新しい執事を、捜しましょう。紫音家とあなたに相応しい執事を」


「そんな事言わないでよ……私、柏原じゃないと嫌だわ!」



「ああ、茉莉果様……」




悔しくて……
涙が出てきた。

その言葉は、私の我慢の限界を越えていた。

なんで嫌いな女にそんな事を言われなきゃいけないの?

私に相応しいかなんて、私は自分で決められる。

柏原は、性格も悪くて無駄に整った容姿のせいでサイボーグみたいだ……

だけど私には柏原が必要なのよ!


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