SWeeT†YeN
「はい……」
だるそうな声がインターホン越しに返ってきた。
これは確かに柏原の声だ!
毎日聞いてる私が間違えるはずがないじゃない。時刻はもうすぐ夜だというのに、昼寝でもしてたのかしら?
「私よ! 開けなさい。柏原」
しーんー……
「柏原?」
なによ?
今さら居留守使う気?
このドア無理矢理こじ開けやるんだから!
ガン! と勢いよく扉を蹴り飛ばす。
すると、ドアノブが回転して扉が開いた。
ナイス私の蹴りっ!
「茉莉果様……どのようにして此処を?」
声を潜め
眉をしかめ
着衣が乱れ
髪も乱れ
あるまじき柏原の、予想外の姿はあまりに衝撃的だったが……
柏原、乱れ過ぎて逆に美しすぎる……
私の心臓がまたうるさいくらいに跳ね上がる。