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いつも柏原が、仕事を終えて帰ってしまうと、寂しく嫌だった。
だけど柏原は、こうして見守ってくれていたのね。
「お待たせしました」
小さくお辞儀をする柏原。
いつもよりは若干ラフな服装だけど、身なりを整えてきたようだ。
顔を洗って髪を整え、すっきりしたような顔をしている。
「すぐに、お茶をいれましょう」
「ええ、そうね」
お茶と聞いて、自分が緊張して喉がカラカラだったと思い出す。
手足もすっかり冷えてしまっている。
柏原は普段のスタイルを崩さずに、手際よくティーセットの準備をしているけど……私には、いつもと全然違うように見えた。
服装が違うから?
屋敷ではないから?
それとも貴方の過去を知ってしまったから?
貴方のプライベートに足を踏み入れたから?
両親と出会い執事になった経緯、変な女と縄跳び大会しながらこんな所に住んでいるのね。