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爽やかな香りが漂う。

ローテーブルに、ティーセットが用意された。



この香りは……


「ジャスミン?」

「ええ、ジャスミン(茉莉)です。香りも味も……私の一番好きな茶葉でございます」



そうなのね
知らなかった。


フーフーと冷ましながら、一口飲むと、すっきりとした味わいが広がる。


「うん、おいし」


私もジャスミンは好きよ。料理や気分を選ばすに飲めるし、後味は必ずすっくりとまとめてくれるから


だけど、柏原は何が楽しいのかクスクスと笑い出した。

堪えていた笑いを、爆発させたように突然笑い出したのだ。


「何よ? 変よ柏原」

まあ、元からちょっと変だけど


「申し訳ございません……お嬢様、私は貴女にも帰るよう勧めたのに何故この部屋でお茶など飲まれているのですか?」




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