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「柏原、私ちゃんと答えられた?」
記者というものは、いつだって厄介だ。
「ええ……前半は」
それなら良かった。
彼らは、ある事ない事を面白ろ可笑しく書くのが仕事だ。
そんな事で、真面目な善良市民である私の顔に泥を塗るような真似をされては困る。
会場を抜けホテルのフロントにあるダイニングカフェまでくると柏原は私を席に座らせ、手早く紅茶を注文してくれた。
「茉莉果様、車を用意して参りますので……紅茶をお飲みになって必ず! コチラでお待ちください」
「わかったわ。子供じゃないんだから、大丈夫」
「甘いスイーツがあるからと言われても……知らない方に付いて行くのはおやめくださいね?」
「大丈夫よ、私の気分はオムライスよ」