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水と薬を飲み。

グラスを柏原に渡す。



「もう麗香はいいの? だったらここで……」


「いえ、彼女を待たせております。お嬢様、ガトーショコラの食べ過ぎにはご注意くださいませ」


すると待ち構えていた麗香が柏原の腕に絡まり、豊満な胸を押し付ける。
慣れた手つきで柏原の手も麗香に回された。



遠ざかっていく二人は楽しそうに笑い声をあげた。





「茉莉果ちゃんの執事、カッコいいよね」

「えっ? かっこいい?」



「男から見ても、カッコいいと思うよ。大人になったら、ああいう男になりたいな」


竜司が、目をキラキラさせながら柏原を評価する。


「柏原は世界一かっこいいわよ……」


そんなの常識だ。
だって、あんなに美しい顔した男なんてそうそういないわ。




「あはは、イケメン執事か茉莉果ちゃんにぴったりだね。でも茉莉果ちゃんにとっては"ただの使用人"だよね」


ただの使用人?


「そ、そそそ、そうよ。ただの使用人よ」


自分で言って悲しくなった。
柏原はただの使用人なんかじゃないけど、上手く説明できない。





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