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「柏原っ!?」
柏原が私の呼びかけに無視をした。
「やーん、柏原様エッチー」
「ぐっ!」
私、無視された……
「茉莉果ちゃん、ほらカモメが飛んでるよ!」
「家揉め」
「うん。なんか変な漢字に変換されてるけど大丈夫?」
「大坊主」
「茉莉果ちゃん……」
柏原は、私の執事だ。
いつだって、私だけを見ていてくれる。
約束したよね?
ずっと傍にいてくれるって……
「なにか飲む? 茉莉果ちゃんは、オーストリア行っても常にお茶ばかりしてたよね」
「だって……オーストリアって乾燥してたから、髪も唇もパサパサして嫌だったのよ」
「あはは、そうか覚えておくよ。僕の姫は乾燥がお嫌いなんだね?」
竜司の腕が遠慮がちに私の肩にのる。
私は、バッシっとそれを叩き落した。
楽しそうに話す柏原の横顔が見えた。
私の執事なのに……