SWeeT†YeN
いつか、双子の妹と再会できると良いわね。
私は、涙を拭きながら……ってのは嘘だけど、卒業式が行われる講堂に向かうために、ハイヤーに乗り込む。
この学園は、無駄に広いので移動には巡回バスと、一部の生徒に許されたハイヤーを使う。
私は、もちろんハイヤーを使用していた。
時間が遅かったのか、停車していたハイヤーは残り一台。
しかも、私が乗ろうとしていたら、後ろから焦った様子で男の人が「しまった…最後の一台!?」と嘆いた。
私は、彼をよく知っている。
「棗先生! 良かったらご一緒しませんか?」
「ああ、すまない。助かるよ紫音」
この学園で、私を呼び捨てにできるのは彼だけだ。
だって……
この学園で唯一のイケメン教員だもの!