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むう、いつから立場逆転したのよ。柏原も柏原だわ。私相手なら百倍返しで反論してくるくせに!
「お嬢様、私は紅茶をいれてきましょう。お客様がお待ちでございます。どうかお手をおはなしくださいませ」
「本当に? どこもいかない?」
「ええ、紅茶を用意すだけです。私、紫音家執事でございますので」
「そう、ならいいわ」
掴んでいた部分が皺になってしまった。だけど優しい腕がふわりと私を抱きしめる。
「おやめなさい! 柏原さん!」と陽子さんのヒステリックな声がした。
そんなの無視。
私と柏原は堅い絆で結ばれているんだから!
お嬢様と執事としてだけど……
「そうよね。柏原は、性格は最悪だけど嘘はつかない。待ってるわ。私ルイボスティーがいい」
「かしこまりました、茉莉果お嬢様」