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「……はぁはぁ、お父様、お母様ごきげんよう」

酸欠状態でトロントした。



「お久しぶりです! 西原竜司です!」


「まぁ! 竜司くん? 大きくなったわね」

お母様は、嬉しそうに竜司を抱き締める。


「話は聞いたよ。本当に、嬉しいよ。私達の部屋に行こうか。竜司くんも茉莉果も疲れてるだろう?」


「はい! ありがとうございます。でも僕は全然元気です。早くお会いしたかったので光栄です!」



「まあ! 可愛い! コアラみたい~!」

「いやぁ~いいなぁ! 娘も可愛いが息子も可愛いじゃないか~」



お父様は本気で愉しそうだ……




「茉莉果も行きましょう。ちょうど、素敵な切り株を買っておいたのよ。茉莉果にプレゼントしようと思っていたのよ」


お母様まで、上機嫌だ。

また変な買い物をしたのね?

「切り株って何に使うの?」


「それがね、茉莉果。年輪っていうのがあってね? その木が何年生きてきたかが判るんですって……今、五十七まで数えたの。まだ半分くらいよ? すごいでしょう」


「そうね……お母様、でも……」


「茉莉果。切り株に座って話ましょう」



切り株に座って話をしたら、私の執事は取り戻せるかしら?





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