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ああ……
私、すごい緊張してきた……
柏原を与えてくれたのはお父様で、柏原をどうするか決めるのもお父様。
「ここに、座りなさい。茉莉果、少し痩せたかしら? ちゃんとご飯食べないとだめよ?」
「お母様……」
お母様は、私の冷たくなった手をギュッと握り締めてくれた。
細いけど暖かい手……
お母様って、こんな手をしていたのね。
「さぁ……数えましょ♪」
切り株は……
あとで、暖炉で燃やしてやるわ。
「お母様、年輪なら竜司がプロなのよ? 年輪早数え世界大会で入賞した腕前らしいわよ」
竜司は「えっ?」と退くも、お母様に捕獲された。
「まぁ凄い! こっちに来て数えてみて!」
切り株に無理矢理座らされた竜司は、しどろもどろになっている。
前世がコアラなのだから、木はお友達でしょう。
これでお父様と一対一で話しができるわ。
「お父様、私が結婚したら寂しくないですか?」
「もちろん、寂しいよ……だけど西原なら昔からよく知っているし。竜司くんも中々ハンサムな好青年じゃないか。私達は、茉莉果さえよければ婚約を許してもいいと考えている」