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「おや、お嬢様。私をご所望ですか?」
二人きりになると、たまらなく柏原に近づきたいって思ってしまう。
これは全て柏原が仕掛けた罠かもしれないわ。
私から離れたことも、お父様と私の話をしたことも、実は全部が策略だったりして……
それでもいいなんて、私どうにかしてるのかしら?
「お願い、柏原」
「かしこまりました。お嬢様」
私を狂わせて
その甘い吐息と美しい顔で
冷たい指先を全身に這わせて
もっと力強く抱きしめてもらいたい。
「お嬢様、ショッピングは?」
「明日も買い物する時間はあるの?」
「もちろん、ございますよ。その様な物欲しそうな顔したお嬢様は外出させるわけには行きませんね。罰として、テラスルームのベッドに移動しましょう」
くすくすと笑う柏原。
「卑怯よ、柏原」