SWeeT†YeN
どちらからともなく、もつれ合いながらベッドに倒れ込む。
「今日の貴女は積極的ですね? つい最近まではキスをしただけで、頬を赤らめ苦しそうに眉をしかめていたのに」
「あら? 柏原が教えたのよ、私に……キスが気持ちいいって」
「はしたない事を仰らないでください。困ったお嬢様だ」
コートとワンピースがベッドサイドに落ちた。
「唇を濡らして私を誘う……この様な痴態、紫音家令嬢あるまじき行為だ」
「柏原のほうこそ、私をその気にさせてるわ」
柏原が燕尾服を脱ぎ捨て、シャツに手をかける。
焦らすように、腕のボタンをゆっくり外しながら私を見下ろした。
「その表情、この体、私以外の男に見せることは許さない」
白いシャツが滑り落ちて私の視界を塞いだ。
「柏原……!?」
「もう一度言ってください。私を愛してると」
シャツを剥ぎ取ると、息の根が止まりそうな程、切なく美しい顔をした執事が私の頬を撫でた。
「愛してるわ、柏原」