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「チガウ! マリーカ、ヒネクレチャダメ……スナオニナレバ、キミハサイコウニ、チャーミングダヨ」
もう!
カタカナばかりで、読みづらいわ!
読者が減っても私は知らないから!
「マタ、ヒネクレタ~」
それに柏原なら、どんなに間違えても『素敵でしたよお嬢様』と優しく微笑んでくれる。
「イマ、イトシイヒトヲオモッタ?」
うるさいオッサンね!
あんたに、何がわかるのよ!
「マリーカ、オコッチャダメ。イトシイ人ニ、キカセルヨウニ、ヒイテゴラン?」
「…………先生」
イトシイ?
柏原に聞かせるの?
それもそうね……
目の前にいる、男の尻を撫でまわすオッサンより
大好きな柏原に聞かせたいわっ!
「ケッコウ! スバラシイ! ボクハ、リュージーニコイシテル! 今日ハオシマイ!」
え……
オシマイ?
「カレニ、ツタエナケレバ!」
セルマン先生は、譜面を片付けると一目散に出口に向かう。
わっ……
私のレッスンは、最初からどうでもよかったのね?