SWeeT†YeN
最悪よっ!
ずぶ濡れじゃないの!
私は紫音茉莉果よ!
こんな姿をSWYの貴重な読者様に曝すなんて嫌よ!
来てきたワンピースは重くて、掴むと水がポタポタと落ちる。
そうだわ。
タオル!
タオルが確か近くに……
「ギャーーーッ!」
今度は、水浸しになった床に足を取られたっ!
嫌よ~
転びたくないわ~
「危ないっ!」
ナイス竜司!!
ちゃんと下敷きにならないと、丸坊主にするわよ!
ガツン!!
「イタタタ……」
竜司は、いいクッションになった。あまり痛くなかったわ。
よかった……
この床も、母がどこかの陶器職人にオーダーメイドで作らせたタイルで滑り易いのよっ!
「顔は洗えたかしら? 竜司」
「うっ……うん。想像以上に盛大に洗えたよ……あははは」
暗いし……
冷たいし……
最悪の気分。
柏原がいたら、絶対にこんな事には、ならなかっただろう。
「茉莉果ちゃん……?」
おまけに、水浸しの床の上で……気がつけばコアラにぎゅっと抱きついていたんだ。