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自分の部屋から、ウォークインクローゼットに入った。
コットン素材チュニックと、同素材のサブリナに着替えた。

グチャと濡れたワンピースは、バスタオルと一緒に丸めてポイ。

柏原が、いつか片付けにくるわよ。


私がくるりとターンをすると『お似合いですよ、お嬢様』と笑う柏原がうつる大きな鏡……

だけど今は、濡れた私が不気味にうつっているだけだ。


それから
背後に白い影がふわりと……




「ギャッ?」


白い影?
まさか、まさか……本当にオバオバオバ……ケが?


警報器が壊れてるから、オバケが侵入してきたのね!?


私は、真相を確めるべく!

ゆっくりと、その白い影の方へと進んでいく。


紫音茉莉果をバカにしないでちょうだい!

オバケの一匹や二匹、生け捕りにしてやるわ!


オバケだから、生きてるのかは分からないけどね?



ボケとツッコミをしながら、飾られていたクリスタルの白鳥を持ち上げた。



そこは、少し広めのテラスへの出入り口。

そこの窓が少し開いている……

「ここから、侵入したのね? 私は騙せないわよ」


白鳥を握り締めて、狙いを定める。

ふわりと白いカーテンが揺れてテラスに人影が……

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