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「ちなみに、自首するなら早い方がいい。今なら窃盗罪は日本の法律ならば懲役ニ~三年で檻から出れるんだろ。殺傷罪が加わると厄介な事になる」


長身ひげ面は、泣きながら柏原の言うことにウンウン頷いていた。


「それと、もし俺に武術の心得があったらどうする? そのナイフが刺さるのは、俺ではないかもしれない……よく考えろよ? 俺は、この広い屋敷を一人で担っている。紫音家の執事だ」


四角いひげ面は、ピラミッドの石とツタンカーメンみたいなお面を、棚に丁寧に戻していた。



よかったわ……
お年玉貯金失わずに済んだわ。


「そろそろ自首しないと、スワットのスナイパー部隊が到着する。日本の警察は太ももや、二の腕を狙うんだろ。海外だと親切に頭をぶち抜いてくれるけどな。この国の犯罪者には心底同情するよ」


柏原は海中時計を確認する、不敵な笑みは崩さない。


柏原って……物知りね?
見直しちゃったわ。


確かに、スパイダーマンが着たら厄介よね。

蜘蛛の糸の後始末は大変そうだもの……



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