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『君達が拳銃を持っていたという目撃情報から、もうすぐスナイパー特殊部隊が到着してしまう。俺は、その前に穏便に事件を解決したいんだ』
私は、咄嗟に柏原を見た。
困ったわ!
蜘蛛男がきちゃうのね!
どうしよう……
蜘蛛の巣屋敷とかにされちゃったら……
しかも、私が可愛いから誘拐されちゃうかもしれない。
「ご安心ください。お嬢様は、大丈夫ですよ」
「……どういう意味よ?」
私が、誘拐されないと思ってるの?
失礼な執事ね。
「いえ、スナイパーが狙うのは犯人だけですので……恐くて怯えておられるのかと……」
もういいわ。
全く話が通じない執事ね。
『もちろん、手荒な真似はしたくない。今出てきてくれるなら、窃盗罪だけだ。悪いようにはしない』
兄貴は、柏原を睨みつける。
「なんで、オマエの言うことと警察の言うことが一緒なんだ?」
「俺が間違ったこと言ってない証拠だろ」