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津田さんは、手帳に何かを書き留めていた。


「本当にご無事でなによりです。ですが、事件の後遺症PTSD心的外傷後ストレス障害というのは、ご存知ですか?」

外は、すっかりと暗闇に包まれている。今日は、たくさんのお客様がいらした日だった。


「post traumatic stress disorder……お嬢様は、大丈夫だと思います」


柏原は、クスクスと笑いながらわけの分からない呪文を唱えた。


「さすが、ご存知ですね。ですが人質被害に合われた方には、カウンセリングをお願いしています。ここの病院は、警察の機関です」

一枚の名刺を、執事が受け取ると眉をしかめる。

「お嬢様には、主治医の先生がいらっしゃります。それ以外の受診は、旦那様に相談しないとなりません」

津田さんは、小さく首を振った。



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