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「必ず主治医に見せるように……との話でした」

「そう」


柏原は、なぜか納得できないと言いたそう。


「何故か心あたりがございますか? 旦那様が、何をそれほど拒むのは珍しい。事件で気が動転されているのかもしれませんが、私はカウンセリングにすぐ連れて行くよう命じられるものと考えておりました」


柏原は、もう一度額にキスを落とすと眉間に皺を寄せる。


「柏原が何を言いたいのか、よく分からないわ」




執事の首に腕を伸ばして、ギュウと抱きつく。

私は柏原が、いてくれたらそれでいい……

カウンセリングとか、主治医とかは、どうでもいいのよ。



「どうでもいいじゃない」

「茉莉果様。ですが気になります」



柔らかい羽毛と、ジャスミンが香る柏原に包まれているのが一番幸せだ。



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