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「誉めてるのよね?」
執事は、深刻な顔をして私を見つめる。
「もちろんでございます。ただ……本日はカウンセリングを受けていただきます」
カウンセリング……
化粧品。
お肌に合ったものを選んでくれるアレね。
「大丈夫、間に合っているわ」
先日、パリからいらした超有名メイクアップアーティストを呼び寄せてメイクグッズを揃えたばかりじゃない。
忘れてるのかしら?
柏原ってば
「困ったお嬢様だ。警察の方からの薦めもあって、事件の後遺症が残らない為にも……とご紹介いただきましたので」
優しく微笑む執事は、ため息と共にまた額にキスを落とす。
「もし、縛りつけるのに恐れを感じるようになっては後々私が困るのですよ……それに個人的に主治医以外の専門医の診断に非常に興味があります」