SWeeT†YeN

 ナツの学校は、とても狭い敷地にある。うちの学園の茶室くらいの広さなのね。

 目的の"体育館"という場所にはすぐに到着した。


 例の如くダンダンと音がして床が揺れている建物だった。


 私は柏原から離れないように歩調をゆっくりと進める。


「ナツ! ごきげんよう」


「ゲッ茉莉果!?」



 ナツは持っていたボールをドンッと落とした。


「先日は素敵な夜を共にしてくれてありがとう。一生の思い出になったわ……私、初めてだったから」



ドンッ
ドンッドンドン…


 周りにいたナツのチームメイトも、私の台詞を聞いて驚いた表情でボールを落とす。


 なにかの挨拶かしら?



 私も足元に転がってきたボールを拾い上げ、皆と同じようにドンッと落としてみた。



< 46 / 554 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop