SWeeT†YeN
ナツの学校は、とても狭い敷地にある。うちの学園の茶室くらいの広さなのね。
目的の"体育館"という場所にはすぐに到着した。
例の如くダンダンと音がして床が揺れている建物だった。
私は柏原から離れないように歩調をゆっくりと進める。
「ナツ! ごきげんよう」
「ゲッ茉莉果!?」
ナツは持っていたボールをドンッと落とした。
「先日は素敵な夜を共にしてくれてありがとう。一生の思い出になったわ……私、初めてだったから」
ドンッ
ドンッドンドン…
周りにいたナツのチームメイトも、私の台詞を聞いて驚いた表情でボールを落とす。
なにかの挨拶かしら?
私も足元に転がってきたボールを拾い上げ、皆と同じようにドンッと落としてみた。