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私に用意されていた部屋は、二階の広く綺麗な部屋だった。
「ここ……来たことあるわ……」
外は暗くてよくわからなかったけど、明るい部屋に入って思い出した。
「茉莉果様がこちらにいらっしゃるのは二度目と伺っております。お荷物はこちらでよろしいですか?」
「それって……船旅から帰ってきた時だったかしら?」
メイドは、首を傾げると申し訳なさそうに眉を寄せた。
「ごめんなさい。私は、今回だけ特別に雇われている身なので詳しいことはわかりません」
「そうなの……ありがとう。もう下がっていいわよ」
「はい、失礼します」