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昨夜、両手を拘束していた柏原のタイが、今はベットの柵に繋がれている。
「柏原ーっ?」
部屋には、私以外の人間はいない。物音一つしない。
「柏原ーっ! 私、起きたわよー! はやく来て!」
まったく……ダメな執事ね? 私を縛り付けておいて、待たせるなんて職務怠慢もいいところよ。
出窓からは鳥の囀ずりと、風が木々を揺らす音しか聞こえない。
タイを解いてみようと、結び目を凝視してみるけど……なんだか、とてつもなく複雑な結び目に、頭を悩ませる。
どうやったら、こんなに難しい結び目ができるのよ!
頭にきて、ぐっと引いてみたら……更に結び目がかたくなった。
「痛いわ。きつくなっちゃった」
どうしよう。