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「紅茶をどうぞ。ベルガモットをご用意いたしました」
「ありがとう」
それにしても静かね……
「お嬢様……どして涙を流されるのです?」
「えっ……涙?」
ポタージュの器から、柏原の顔に視線を移すと頬に涙が伝っていた。
私、また泣いていた?
柏原は、それを悔しそうに眺めていた。
こんな時は抱き締めてキスをして欲しい……
それってお母様がいうように、私のわがままなのかしら?
もうよくわからなくなってきた。
元々、柏原は意味不明だけど
「食事が終わりましたら、掃除を手伝っていただきます。風呂を沸かし、暖炉に火をつけましょう。ここの夜は、とても冷え込みますから」
「わかったわ……」
泣いてる場合じゃないのね。私は柏原に従わないと、ここから追い出されるわ。