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執事様と共同生活
「────ゲホッゲホッゲホッゲホッ!! 柏原、埃も火つけて燃やしちゃえばいいのよ!!」
灰かぶり姫、そんな童話があったかしら?
まさに今の私が、そんな状態だ。
なんせ、十年近く放置されていた暖炉を掃除しているのだから。
「埃を残したまま燃やすと異様なほど煙がでる……というか、お嬢様」
「何よ?」
「見ているだけでなく、少しは手伝って下さいませんか?」
「手伝ってるわよ!」
私は、柏原にチリトリと呼ばれる物体を手渡す。
すると、盛大なため息を吐いてから……柏原は集めた埃を器用にチリトリにのせていく。
丸太で組まれたソファに座ると、私もため息が出た。
「新生活の準備って大変なのね」